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CROSSROADS×Nagasaki  -クロスロード×長崎-

異国文化が交差した長崎を科学と情熱で探究

14世紀:ヨーロッパ壊滅の時代と16世紀:大物料理研究家

この人↓ の職業は何でしょうか?※コスプレ趣味の人ではありません。

Doktorschnabel_430px.jpg

ハイ、コレ。中世の、ある時期以降のヨーロッパのお医者さんです

では、次の質問に答えて下さい。

Q.上記のような恰好をした医師で、料理研究家、そして、星を眺めて占星術師を行い、かつ詩人。これら全てに該当する日本でもかなりの有名な、16世紀のフランス人を答えよ







Nostradamus_by_Cesar.jpg

A.ミシェル・ノストラダムスです。

  ↑ ノストラダムスの肖像画(1614年頃)
ミシェル・ノストラダムス(Michel Nostradamus)
■1503年12月14日 - 1566年7月2日

1999年7の月、
空から恐怖の大王が来るだろう、
アンゴルモアの大王を蘇らせ、
マルスの前後に首尾よく支配するために。


「ミシェル・ノストラダムス師の予言集」百詩篇 第10巻72番

小学校から中学校の時、これが大流行しました。
「あと、20年くらいでオレら死ぬ(((;゚ρ゚)))アワワワワ」と、誰しもが恐怖におののきました(「月刊ムー」を回し読みして)。
はじめの大学の時にも、「どうせあと10年で死ぬから、借金しまくって豪遊した方が勝ちだろ」と言い合ってました。
ま、ホントに実践してたら地球が滅びなくても、借金地獄で人生が滅びてました。

余談ですが、「月刊ムー」の出版社は学研です!!。・・・特段、コレを知ったからといって深い意味はありませんが。

当時、五島勉の「ノストラダムスの大予言」をもれなく買って読みましたが、さっぱり分かりませんでした。ただ、筆者の五島勉はこのシリーズで250万部を突破する、大ベストセラー作家になりました。
ノストラダムスの大予言
五島勉の「ノストラダムスの大予言」
ちなみにコレ、 Amazon の現在のレビューで、総合4つ星。5つ星が54%で、5つ星から3つ星まで足すと89%もあります。スゲエ…

1974年には東宝から映画も作られました。
■ナレーター:中江真司
■出演者:(霊界の案内人)丹波哲郎・(風呂好きかげろうお銀)由美かおるなど

・・・・・ていうか、この予言。
3797年まであるから、「1999年に地球が滅びる」ってコレ、一体何を言いたかったのでしょうか? 読解力のなかった過去の自分がハズい限りです。

しかし、この大予言にガチで感化された連中は大勢いるのです。

この予言が成就するようにしむけたテロ教団も現れました。
地下鉄にサリンをまくなどの実験を繰り返し、亡くなった方も多数。今もその後遺症に苦しんでいる方々がいらっしゃいます。

こいつらが一網打尽に逮捕されて、未然に更なる大規模なテロが防げたからまだ良かったものの、あの「サティアン」と呼ばれる化学兵器工場など、本格的な生産を行っていたので、危うい所まで行く手前でした。本当にある意味で「予言」が成就してしまってたら、と考えるとそら恐ろしい出来事です。ここでは北朝鮮との関係、こいつらロシアで何をやってた?などのダークサイドが付きまとっていますが、明らかになっていないのです

と、日本ではいろいろありましたが、実在のノストラダムスは予言だけでなく、ペストの治療法を独自に開発した、という功績もあるようです

ところで、「ペスト」とは何か?

推奨しませんが、「黒死病」と検索すると意味が分かります、推奨しませんが。

ノストラダムスから150年ほど時代をさかのぼります。

ちょうど前回書いた14世紀の英仏百年戦争が始まってすぐ辺りで、ヨーロッパに破滅的な大流行をもたらしたのが「黒死病(ペスト)」です。

1348年をピークに、猛威をふるったこのペストで、恐るべきことにヨーロッパの全人口の1/3が死亡したとされています

553px-Pestilence_spreading_Japane.png

しかし、病気の拡大だけでなく、この病気に伴って農業労働人口が減少します。そうすると、一人あたりの賃金が高騰します。そうなると雇っている領主の地位が脅かされます。不安を感じた領主は、賃金統制や賦役の強化などを強引に推し進めていったので、これに反発した農民らは大規模な反乱を起こしていきます。

中でも悲惨さで有名なのが、1358年に起きた「ジャックリーの乱」と言います。貴族が農民のことを「ジャック」と呼び軽蔑していたのでこの名がついています。
統制の利かない農民らは、貴族・騎士など支配階級を標的に殺害して、家にある物を略奪しまくります。また、この農民軍のスローガンは「旦那たちを倒せ」なので、領主を殺し、女たちは強姦、その子供らは串刺しにして丸焼きにしたと、やりたい放題の反乱に発展しました。
ジャックリーの乱ジャン・フロワサール 1358
ジャン・フロワサール 「ジャックリーの乱」1358年

百年戦争の裏、というか、戦争でない部分でもヨーロッパはズタボロの様相を呈していたのがこの14世紀中頃でした。

ペストの脅威から人を救う医者の姿が冒頭の絵なのです

ノストラダムスは神聖ローマ帝国のカール5世と争った、フランソワ1世の息子:アンリ2世の時代に活躍しました。

実際に「予言」らしきものも行っています。
800px-Nostradamus_Centuries_1555.jpg
「ミシェル・ノストラダムス師の予言集」(初版1555年)

結構当たるという評判か、占星術の評判からなのか、とにかくこのアンリ2世の王宮に招かれるのです。ここで予言したことがその通りになった、と言われるのがアンリ2世の死に際です。
アンリ2世。レオナール・ リモザン画。1555-60年
レオナール・ リモザン画 アンリ2世 1555-60年

アンリ2世の娘エリザベートは、(また登場ですが)スペイン王フェリペ2世 ↓と結婚することになりました。
フェリペ2
イングランドのエリザベスにフラれたフェリペ図を誤って使用してしまいました。

1559年6月30日、その結婚の祝宴の一環で、アンリとモンゴムリ伯との馬上槍試合が行われます。この時、アンリ2世はたまたまでしたが右目を槍で貫かれてしまい、その後すぐ亡くなってしまいます。これを予言していた、と言われますがやはり定かではありません。

そして、偶然見つけた、まだ9歳の子供に、「この子は王様になる」という予言をしているとか、いないとか、いないとか。この子が後にナポレオンよりもフランスでは名君になったアンリ4世 ↓なのです。
King_Henry_IV_of_France.jpg

しかし…ノストラダムスが料理研究家とはね。ちゃんと本も残っています。
800px-Nostradamus_Traité_des_Fardements
「化粧品とジャム論」 リヨンで出された版(1555年)
wiki から内容をコピペしとくと、次のようになります。

「初版の扉には、『若干の魅力的な処方についての知識を得たいと思う全ての人々にとって優良かつ大変有益な二部構成の小論集。第一論文は顔を麗々しく、一層美しいものにするための美顔料や香料の作り方。第二論文は目次で多く言及されている通り、蜂蜜、砂糖、濃縮ワインなどをたっぷり使ったいくつかのジャムの作り方の手ほどきを示すもの。プロヴァンス州サロン・ド・クローに住む医学博士ミシェル・ド・ノートルダム師が新たに編纂し、新しく公刊されたもの』と記載されていた。この説明的な題名が示すように、第一部が化粧品論、第二部がジャム・菓子などの製法になっていた」

と。

予言書を書いた人というバイアス抜きで、筆者も知らさずに、今っぽく販売しても普通に売れそうなコピーですよね(笑)
いつかボクもフランス語を習得して、ジャムをレシピ通りに作ってみようと思います(ウソ)。

おしまい

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