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CROSSROADS×Nagasaki  -クロスロード×長崎-

異国文化が交差した長崎を科学と情熱で探究

西郷隆盛 (4)-かる~く、グラバーとは -

大河ドラマ「龍馬伝」 の第43話29:30~辺りからで、なぜかわかりませんが英語と日本語交じりで、こんなシーンがありました。

岩崎弥太郎が「オルトさん、オルトさん。エゲレス流のビジネスを教えてくれや~」とぶしつけに部屋に入ってきた後の会話です。

龍馬伝グラバー・オルト

ウィリアム・オルト「君はいつから日本人贔屓(びいき)になった?」

トーマス・グラバー「何だと?」

オルト「稼ぐだけ稼いだら、日本から逃げろと君は言ったじゃないか。一体どうしたんだ?」

グラバー「確かに。確かに私は、日本人を軽蔑していた。だけど、今は違う。名も無き若者たちがこの国を変えようと懸命になっている。私心を捨ててね。彼らに会って私は考えを変えたんだ!」

オルト「なるほど、だが残念なことに彼らには将来の展望が無い。幕府を倒して帝に政権を返す?そんなことをすれば混乱を招くぞ。だが我々にとっては願ってもないことだ」 と、オルトはグラバーに不敵な笑みを見せる…。

このウィリアム・オルトのリアリティある言葉こそ、世界史を学んだ人間からすると、当時の西洋人の本音だろうと思われるシーンでした

しかし、本当にグラバーはこのように感じていたのでしょうか?

あの大英帝国から見ると、日本は未だ軽蔑すべき対象であるアジアの他国と同様に弱小国です。小さな島国が20世紀に世界最大の国家となってましたから。

20世紀初めのイギリス領
https://jugo-blog.com/industrial-revolution11

グラバーが幕末の志士達と長崎で過ごした20代という青年期は、現代を生きる我々が想像することすら難しい激動の時代でした。この真っ只中で、グラバー自らも商人としての立場から大変革の「核」とも言うべき役割をも担いました。それが軍需品の取引です

スコットランドのアバディーンから、ほぼ地球の裏側の日本に21歳でやって来て、初めは茶の取引で財をなしますが、英国までの航路は湿度がきわめて高い熱帯を通ることになるので、長期の運搬中に茶はカビが生えたりと不安定です。しだいに割の良い軍需品の取引を行うようにもなります。

ただ、それが様々な事例を見ていくと、ただ「割の良い」という利潤の上だけで済む話ではないとボクは考えています。

グラハーは以来、ずっとこの日本の地に滞在し、73年の生涯のうち21歳から53年間は日本で過ごしているのです(途中、海外へはもちろん数回船出しています)。

グラバー旧邸南麻布
↑ゲートの奥に晩年のグラバーが過ごした邸宅があった、東京の港区南麻布邸付近。今、ドイツ大使館や中国大使館がありますね

唯一グラバーの言葉が残っているといわれる、長州の毛利家が編んだ維新史が毛利家文庫にあります。

その編集人の取材にグラバーはこう応えています。

当初は、ハリー・パークスは幕府の側に立っていたが、鹿児島で島津久光と会談の後に態度を変えたと語り、続けて

「このグラバーが、日本のため一番役立ったと思うことは、私がハリー・パークスと薩摩、長州の間にあった壁をブチこわしてやったということだ。
これが私の一番の手柄だと思う。
私は日本の大名たちと何十万、何百万の取引をしたが、私は日本のサムライの根性でやった。
徳川幕府の叛逆人のなかでは、自分が最も大きな叛逆人だと思っている」
と。

この話は、グラバー研究の第一人者で、ボクの師匠であるブライアン・バークガフニ博士に一度確認したことがあります。

「コレ、先生は本当の話だとお考えですか?」

バークガフニ博士:「いや、本当のところはよく分かってないと思います」

バークガフニ博士も、やはりこの全てを信じている訳ではない、ということでしたが、ボクなりに研究を進めてきたことからすると、これもまた十分にあり得る話ではないかと考えています。「龍馬伝」のこのシーンはグラバー研究者にとっても、案外グラバーの本音ではなかったか?と思ったシーンです。

グラバーの話は、いずれ別カテゴリーで必ず詳細に書こうと思っています。
みなさんも、グラバーや西郷隆盛、五代友厚など幕末の志士たちを偲ぶ、グラバー園にぜひおいでください!

◆グラバー園ウェブサイト



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