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出島表門橋開通記念! みんなで学ぼう、 オランダ 7

マルティン・ルターによる、暴虐カトリックの批判からキリスト教は分裂し、ヨーロッパでは新たなステージへと展開していきます。

ヴィッテンベルク大学教授ルターは、「キリスト者の自由」という書物を1520年に書いていて、魂の救済はカトリック教会がやっているような金(贖宥状の購入)ではなく、「信仰」だけだ!と主張し、聖書に書いていることが真実なんだと説いています。

この考えを「福音主義(ふくいんしゅぎ)」と呼びます
そして、後にこの主張に呼応した人たちが「ルター派」です。

そして、1555年までは神聖ローマ帝国とイタリアだけでなく、フランスやイギリスの介入、ドイツでは農民戦争勃発、あの強大なオスマン帝国のウィーン包囲など、ヨーロッパは混乱に陥ってしまいます。

そんな中で、神聖ローマ皇帝カール5世(カルロス1世)は、シュパイアー帝国議会を開き、帝国内で拡大するルター派を容認すべきか否を問います。

1526年の第1回ではルター派を容認したのですが、1529年の第2回の会議では「やっぱやーめた」とばかりルター派を否認します

それに対してルター派が「前回と話違うやんけ、オラオラオラ!!」と抗議したことから、彼らルター派は抗議する奴ら、という意味の「プロテスタント」と呼ばれるようになっていきます。

これが、カトリックに対して今もある「プロテスタント」の語源です

このプロテスタントはどのような広がりをしていくのか、という前に今日の主役で、後にオランダで広まっていく「カルヴァン派」の祖であるジャン・カルヴァンの登場です。

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ジャン・カルヴァン Jean Calvin (ハンス・ホルバイン画)
<DATA>
■1509年7月10日 - 1564年5月27日
■フランス出身の神学者。マルティン・ルターやフルドリッヒ・ツヴィングリと並び評される、キリスト教宗教改革初期の指導者。
■ジュネーヴ大学を創立する。

カルヴァンが主張したのは、基本路線としてルターと同じく聖書中心主義なのですが、決定的に違うのは彼が「予定説」という考えを持ち込んだことです
例によって、山川の世界史B用語集の項目から引用してみましょう。

「予定説」
魂の救済は、人間の意志や善行とは無関係であり、あらかじめ神によって決められているという説で、カルヴァンによって徹底された。そして自分の仕事を神から与えられた天職として励めば、やがて自分が救いの対象となっているという確信を得られるとした。カトリックでは蓄財を否定したが、カルヴァンはこの予定説において、天職に励んだ結果としての蓄財を認め、新興市民階級の活動を宗教的に承認したため、資本主義の発展に貢献することになった

と、あります。
これで「あー、ナルホドね!!」とソッコー理解できる人は天才だと思われます.。てか、誰もサッパリ分かりません。

まず、当時の社会状況をまるで語っていないからというのと、そもそも、予定って何?という疑問が先んじることでしょう。

社会状況は前回まででお話ししたように(※「出島表門橋開通記念! みんなで学ぼう、 オランダ 6」参照)、教皇庁を中心するカトリック教会は暴利をむさぼっています。道徳を旨としなければならない立場の坊主が平気で淫行を働き、魔女狩りだとかいう、テキトーな理屈をつけて容赦なく人の命を奪っていました。

こうした社会状況下でルターが唱えた、真っ当な聖書の教えに立ち返れということに感化された人たちの一人がフランス人のカルヴァンだったのです(※フランス人だというのも重要なのですが、それはいずれまた)

次に彼が唱えたプロテスタントであるカルヴァンの「予定説」とは、憲政史家:倉山満先生による秀逸な具体例ではこうなってます。
まず、カトリックと違いを比べてみましょう。

<カトリック編>
前提1:この世をパソコンだとする。
前提2:造物主はプログラムで発生した、どんなバグでも直せるから偉大である。
上記1&2より、人間には直せないあらゆるバグを直せる造物主は何て偉大なんだ、これは当に「奇蹟だ!」
結論:この世の全てが予め決まっているならどうあっても救われないから、人間には自由意思に基づく困難に立ち向かう努力を認めることにしよう。


これに対し、

<プロテスタント編>
前提1:この世をパソコンだとする。
前提2::造物主は始めから完璧なプログラミングが出来るので偉大である。
上記1&2より、パソコンにバグや不具合が発生しても、それは人間の目にそう見えるだけで、完全無欠な造物主が間違いなど犯すはずがなく、「予め」そうなるようにしくまれていた。←ココ、神様の予定。
結論:間違いに見えるものですら神がこの世の全てを予め決めているのだから、人間に自由な意思はない


と、まるで異なる主張をしたのが、プロテスタントであるカルヴァンの予定説です。

そして大雑把に言えば、ヨーロッパでプロテスタントが広まっていくのが、
オランダ・スイス・スコットランド・イギリス(教義内容は初めカトリック的)など。
カトリックのままでいるのが、イタリア・スペイン・ポルトガル・オーストリア・フランス(ここはやや複雑な経緯があります(-_-;))などです。

ん?どうやって広まっていったの? となりますよね。

これはルネサンスの発明と関係しているのです。

更に、「蓄財を認め~資本主義の発展」とは!?

次回はこの辺りの話からです。お楽しみに~!

今回も画像が少なく寂しいのでハマ口推奨今宵の一曲で締めましょう。古き良き時代のSONYのCMソング。



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