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CROSSROADS×Nagasaki  -クロスロード×長崎-

異国文化が交差した長崎を科学と情熱で探究

出島表門橋開通記念! みんなで学ぼう、オランダ 12 - オランダ独立(3)-

なぜカトリックが日本にやって来たのか?

もったいぶらずに早く書け、と急かされているので、しょうがないから予定変更で書きましょう。

ここまで全ての話を読んでこられた人にとってはもう楽勝で、ズバリ2点の理由からです。

1つ目が、プロテスタントの広がりで、カトリック教会は信者獲得(=金儲け)が出来なくなってきたからです

2点目が、ちょうどこの16世紀には、いわゆる「大航海時代」が幕を開けていて、オスマン・トルコ帝国を回避しながらアジアまで到達できる、アジアっていうか世界中に到達できる技術があったからです

ハイ、終了です。お疲れしたー!

真面目にやりますとも。

そもそも「カトリック」の意味を以前にも書きましたが「普遍」でした。
例によって、辞書の力を借ります。

大辞林 第三版の解説

ふへん【普遍】 ( 名 ) スル
① 広く行き渡ること。 「火山の到る処に-するを/日本風景論 重昂」
② すべてのものにあてはまること。すべてのものに共通していること。 ↔ 特殊 「 -の原理」
③〘哲・論〙 〔universal〕 
  ㋐ 宇宙や存在の全体にかかわっていること。
  ㋑ 複数の個物について共通に述べられ得る事柄。普通名詞に対応する項辞ないし概念。


つまり、自分たちの神の教義はいつでもどこでも全てに通用するハズなので、世界中に出て行って正しく布教すれば信者が獲得できるに決まっていると、と思っているからです。裏を返すと、自分たちの教義が絶対に「正しい」のであり、これまでさんざん書いてきたように、異教徒と異派はソッコー地獄行だということになっていました。(※「みんなで学ぼう、世界史としてのキリスト教 1 - 宗教改革 -」 参照)

アメリカ大陸に出かけて行って、いわゆる「インディオ」を奴隷化したり、皆殺しにしたりしても、カトリックの教義を理解しない連中の方が悪だというのが「正しさ」であるなら、自己を正当化できる訳です。(※「ポルトガル人はなぜ日本に来たの?」に答えられますか? 3」 参照)

日本人はよく奴隷化されなかったなーと思った方。奴隷化されましたよ、九州の人たちが一説には50万人くらい。世界中に売られました、という記録が世界中に残っています。これに対して豊臣秀吉から出されたのが「伴天連追放令」でした。(※「「ポルトガル人はなぜ日本に来たの?」に答えられますか? 2」 参照)

イエズス会とフランシスコ会
イエズス会士(黒服)とフランシスコ会士(グレー服)
引用:歴史人マガジン【 戦国時代のキリスト教 】秀吉によるバテレン追放令とは より

つまり、「伴天連」とは、これも「カトリック」のことを指す言葉であり、「プロテスタント」ではありません

当時のカトリックは危険なことをやっているということで禁止されたのは分かりますが、ではなぜ同じ「キリスト教」の一派である「プロテスタント」は交易が許されたのでしょうか?

それには、プロテスタントの「予定説」を知っておく必要があるのです

そして、これを知ってもらうために、この「オランダ」編を中断してまで伏線として張っていたのが、「みんなで学ぼう、世界史としてのキリスト教 3 - 宗教改革(3) -」なのです。 
…やっと伏線が帰結しました。

カトリックでは救済のために信者はいろいろやれるんですが(多額のお布施とか「贖宥状(免罪符)を買うとかのダークサイドなども)、プロテスタントのこの「予定説」では、神が救う人間を予め決めていました。だから、ある意味、何をやっても救われないやつに布教するのは「それって、無駄な努力じゃん」、となります

すなわち、プロテスタントにとっては、日本は「八百万(やおよろず)の神」とかいう多神教で、かつ助っ人で仏教といった宗教まで入れててごちゃまぜです。その辺の石にも神が宿るといったことまで言うのです。だから、彼ら「紅毛人」にとって得体のしれないものを信仰している「日本人」など、元から救われるはずがないと思っているのです

こうして、「日本のやつらに布教しても無駄だし、あいつら(ヨーロッパではあまり採れない)金・銀たくさん持ってるし、商売で儲かればいいや」ということで布教をしなかった、これが歴史科学的にはオランダが布教しなかった理由です

紅毛人 神戸市立博物館
長崎に上陸した象と紅毛人の図 作者不明 神戸市立博物館象、間違えた、蔵

もっと言えばですが、以前書いた、あの「デ・リーフデ号事件」を覚えていらっしゃいますか?(※「鉄砲を伝えたのはポルトガル人ではない!? 5」参照

ウィリアム・アダムス(のち三浦按針)というイギリス(紅毛)人がやってきて徳川家康にも重用されたというのも、イギリスがプロテスタントの国に当時もうなっていて、カトリック布教の危険性がないからです。

ちなみに、プロテスタントが広まっていったのは、ドイツ、オランダ、フランス、イギリス、スコットランドなどでしたね。
16世紀 プロテスタントの広がり
引用:世界の歴史まっぷ より

後に詳しく書くことになりますが、フィリップ・フランツ・フォン・シーボルトというドイツ(紅毛)人医師がオランダ(紅毛)人に扮して日本にやって来たこともこれで理解できます。ドイツ(紅毛)人がスペイン(南蛮)人に扮して来れる訳がないですから。
シーボルト 川原慶賀筆
フィリップ・フランツ・フォン・シーボルト

そして、彼ら(オランダ人やイギリス人など)紅毛人が、ヨーロッパでは「カトリック」vs「プロテスタント」の最終宗教戦争(これを「三十年戦争」と言います。次回よりこのブログで入ります!)をやっていた時代が、まさに日本では織田信長から、徳川家康などが活躍した時代なのです

・・・だからたぶん、紅毛人らは日本人に、自分たちの仇敵であるカトリックの南蛮人のことをしこたまディスりまくったハズです。
「家康さん、あいつらマジ残虐な奴らっすよ、クズっすよ。いずれ日本に乗り込んで家康さんぶっ殺すってウワサ聞きましたですぜ。ボクらがその情報流しますんで、代わりボクらの商品も買って下さい」と(筆者想像)。

日本の戦国時代から江戸時代を知るには、同時代の世界史にも目を向けろ!! これが重要です。

幕末も同様で、日本の勢力図をどっかの公共放送とか自称しているN○K「大河ドラマ」で知ったふうに思うのは、非常に浅い歴史解釈なのです(どっかの公共放送とか自称しているN○K「大河ドラマ」が制作した山ほどある中のどれ、とは言いませんが…)。

…どうでしょうか?

この一連のヨーロッパ史を知らないと、長崎の教養は語れません!(断)

・・・なら、なんで同じ紅毛人のイギリスと交易しなかったの?家康のとこにもいたのに。

次回も、お楽しみに~!

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<オランダ編>
出島表門橋開通記念! みんなで学ぼう、オランダ 1
出島表門橋開通記念! みんなで学ぼう、オランダ 2
出島表門橋開通記念! みんなで学ぼう、オランダ 3
出島表門橋開通記念! みんなで学ぼう、オランダ 4
出島表門橋開通記念! みんなで学ぼう、オランダ 5
出島表門橋開通記念! みんなで学ぼう、オランダ 5.5 ―科学と非科学の違いー
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出島表門橋開通記念! みんなで学ぼう、オランダ 10 - オランダ独立(1) -
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<宗教改革編>
「みんなで学ぼう、世界史としてのキリスト教 1 - 宗教改革(1) -」
「みんなで学ぼう、世界史としてのキリスト教 2 - 宗教改革(2) -」
「みんなで学ぼう、世界史としてのキリスト教 3 - 宗教改革(3) -」
「みんなで学ぼう、世界史としてのキリスト教 4 - 宗教改革(4)前編最終回 -

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